月刊おくちレター 第4号

テーマ:歯ぐき(歯肉)

巻頭のひとこと

「当たりまえ」は、気づこうとしなければ永遠に“背景”のままです。

けれど、一度だけでもしっかり見つめ直すと、

その静かな働きが、毎日の豊かさをそっと支えてくれていたことに気がつきます。

今日もひとつ、感謝の正拳突き。

静かに、でもたしかに、支えてくれているものへ。

今月の感謝対象:歯ぐき(歯肉)

歯ぐきは普段、あまり意識されない存在です。

鏡を覗くときも、歯に目が向きがちで、

歯ぐきのことは“背景”として扱ってしまうことが多いかもしれません。

けれど、本当はとても頼もしいパートナー。

歯ぐきは、歯を支え、細菌から守り、

咀嚼や会話の“土台”として黙々と働いています。

血流が豊かで、傷が治りやすいのも特徴。

それは、毎日の使用に耐えるための体の知恵です。

さらに、歯ぐきは健康のバロメーターでもあります。

腫れたり、血が出たり、色が変わったり。

体の小さなSOSを、一番に知らせてくれるのも歯ぐきです。

数字を見ると、その重要さはさらに際立ちます。

成人の約7〜8割が、程度の差こそあれ何らかの歯周疾患を持つと言われています。

「沈黙の病気」と呼ばれ、痛みに気づきにくいからこそ、

歯ぐきは私たちが思うよりずっと多くの“守り”を担っています。

食べること、話すこと、笑うこと。

そのすべての根元で、揺るぎなく支えてくれている歯ぐきに、

今日はそっと「ありがとう」を贈りましょう。

今月の問いかけ

あなたが最近「見落としていた小さな支え」は何ですか?

それが人でも、習慣でも、体の一部でもかまいません。

気づいた瞬間を、そっと言葉にしてみてください。

参考:

Mariano Sanz et al. Treatment of stage I-III periodontitis-The EFP S3 level clinical practice guideline. J Clin Periodontol. 2020 Jul.