テーマ:歯ぐき(歯肉)
巻頭のひとこと
「当たりまえ」は、気づこうとしなければ永遠に“背景”のままです。
けれど、一度だけでもしっかり見つめ直すと、
その静かな働きが、毎日の豊かさをそっと支えてくれていたことに気がつきます。
今日もひとつ、感謝の正拳突き。
静かに、でもたしかに、支えてくれているものへ。
今月の感謝対象:歯ぐき(歯肉)

歯ぐきは普段、あまり意識されない存在です。
鏡を覗くときも、歯に目が向きがちで、
歯ぐきのことは“背景”として扱ってしまうことが多いかもしれません。
けれど、本当はとても頼もしいパートナー。
歯ぐきは、歯を支え、細菌から守り、
咀嚼や会話の“土台”として黙々と働いています。
血流が豊かで、傷が治りやすいのも特徴。
それは、毎日の使用に耐えるための体の知恵です。
さらに、歯ぐきは健康のバロメーターでもあります。
腫れたり、血が出たり、色が変わったり。
体の小さなSOSを、一番に知らせてくれるのも歯ぐきです。
数字を見ると、その重要さはさらに際立ちます。
成人の約7〜8割が、程度の差こそあれ何らかの歯周疾患を持つと言われています。
「沈黙の病気」と呼ばれ、痛みに気づきにくいからこそ、
歯ぐきは私たちが思うよりずっと多くの“守り”を担っています。
食べること、話すこと、笑うこと。
そのすべての根元で、揺るぎなく支えてくれている歯ぐきに、
今日はそっと「ありがとう」を贈りましょう。

今月の問いかけ
あなたが最近「見落としていた小さな支え」は何ですか?
それが人でも、習慣でも、体の一部でもかまいません。
気づいた瞬間を、そっと言葉にしてみてください。
参考:
Mariano Sanz et al. Treatment of stage I-III periodontitis-The EFP S3 level clinical practice guideline. J Clin Periodontol. 2020 Jul.
